このメッセージは、旅館屋=公衆衛生を守る立場の者から、新型コロナウィルス感染拡大防止のために、思いついたことを書きました。大切なあなた様とそのご家族・友人・知人をウィルスから守るために参考になれば、と思います。長文になりますが、最後までお読みいただけると幸いです。
【感染拡大予防で注意するべき場所と行動】
~旅館屋が考える、公衆衛生の観点からのコロナウイルス対策~
群馬県みなかみ温泉郷 天空の湯なかや旅館の阿部 剛です。これを書いている本日は、2020年4月16日です。私は旅館屋なので、定期的に講演会などで公衆衛生順守の立場から食中毒ウィルスなどの情報を受け取ります。それはノロウィルスに関してでしたが、今回のコロナウィルスでも完全に有用ではないか、と思い、私の考えも含めてこの場所でお伝えさせていただく次第です。
4月16日夕方の非常事態宣言の対象地域が全国に拡大されるとの報道のとおり、まだまだウィルス感染が収まる気配が見えません。そんな状況をみると、私は正直申し上げて
「注意しなければいけないのは、本当に“三密”だけ?」
「“三密”を防げば、本当に感染が充分効果的に抑えられるの?」
という疑問を感じます(「三密を避ける」考え方自体が間違っている、と言っているのではありません)。つまり
「三密を避ける」以外の「重大な行動」を我々は見落としてしまっているのではないか?
・・・だから感染拡大が収まらないのではないか?・・・と思えてならないのです。
ではその「見落としてしまっている場所や行動」とは? 旅館屋=公衆衛生の立場から「怪しい」と思う場所が「トイレ」です。公衆衛生講演会(=ノロウィルスへの注意喚起)では、
「トイレの中で手が触れるところは、カナリ菌が付着し、残っているから、要注意」
と伝えられました。私が疑うトイレでのコロナ感染とは、三密と違う「人→物→人」という感染(=人の間に物を通じた、手を介しての感染)です。せっかく人との接触を減らして“三密”リスクを極力回避しているのに、この「一人になる場所=トイレ」での不注意が大きな原因の一つになって、感染拡大に歯止めが掛からないのではないだろうか?・・・私はこのように考えます。
この考えは、まったく新しい考え方ではないし、珍しくもないでしょう。そして私が初めて伝えている内容でもない。でも実際の人々の行動を考えてみれば、この「トイレ」という場所は、案外多くの人からその危険性が見落とされてしまっているかも、と思えてなりません。そしてこの場所の危険性がテレビやネットで「三密」ほど充分に伝えられているようにも思えないのです。
冷静に人の行動を見る・考えることをしてみれば、トイレという場所は
・全ての人が、絶対に毎日、数回に渡ってアクセス&タッチする場所
です。そう、本当に全ての人がただ一人の例外なく、当てはまります。そのように考えてみると、感染経路不明の感染としてカウントされている中に、この「トイレでもらっている感染」数が、もしかしたらたくさん隠れているのかも? と思えてなりません。
菌の付着場所とは、電気スイッチ、ドアのノブ、便座、ぺーバーフォルダ、ウォシュレットのスイッチ、流水レバー・・・等々、つまり「自分が触る場所」と完全にイコールです。感染の拡大をこれから更に防いでいくためにも、ぜひ気にしていただきたいと思います。
以下に、特に公衆トイレや不特定多数が使うトイレに入る時の対処・対策=行動を示します。特に珍しい行動とも思えませんが、あらためて意識していただく、ということで、参考にしていただければ幸いです。
1:マスクはつけたままで&アルコールスプレーを手に持って、トイレへ。
2:トイレに入ったら、まず空間にアルコールスプレーを特に頭の上くらいの高さから、全体的に。
3:用を足す時=トイレにいる最中は、出るまでできるだけ壁などに触らない。
ペーパーホルダーにはなるべく触らないよう気を付けて、ペーパーを使う。
4:ウォシュレットや流す部分に触る時に、触る前にその部分にアルコールスプレーができればベター。
5:流すのは、便座の蓋を閉めた後=自分の後の人のために。
6:手はもちろん洗うが、特にドアノブやウォシュレットのスイッチに触った指や掌の部分は念入りに洗う。そしてトイレを出た後にもう一度、念入りにアルコールスプレー=手洗いのノブやドアの取手に菌が残っている可能性があるため
(アルコールスプレーを持っていない場合は、6の手洗いを特に入念に&トイレから出た後、もう一度どこかですぐに手洗いすることをお勧めします。
外でトイレ使う時は、特に気をつけてください。
(これを文章にするにあたり、武田邦彦先生のユーチューブ動画を参考にさせていただきました。感謝いたします)